島の真ん中に高くそびえる修道院と、それに群がるように密集した街。そして、島の外側を取り囲む海。それだけが、リンとレンの世界のすべて。巡礼者の捨て子であるリンとレンは修道院で暮らしていたが、本国の命により修道院は監獄として明け渡されることとなり、修道士達と共に街に下って生活することに。
街に下って以来、リンは、連日のふくれ面だった。新しい住処となった建物は、赤い鎧戸が可愛らしく、如何にも女の子の好きそうな外観だったが、リンは見向きもしなかった。修道院の礼拝堂で歌う讃美歌を何よりも楽しみにしていたせいだろうか。それとも、自室に自分の讃美歌集を、忘れてきてしまったせいだろうか。やがて街の仮説教会に小さなオルガンが運び込まれ、 伴奏つきで讃美歌を歌えるようになっても、修道士様に新しい讃美歌集を買い与えられても、リンの顔は晴れなかった。
機嫌を直そうと、レンは修道院の周りを探検することを提案する。衛兵たちの目をかいくぐっての探検はスリリングで、たちまちリンを笑顔にした。とはいえ、島の構造を知り尽くしている二人にとって衛兵達は相手にもならない。もっと刺激が欲しい―そう思っていたある日、二人は探検の途中で、微かな歌声を聴く。
声を辿って見つけたのは、鉄格子がはまっているものの、見覚えのある小窓だ。修道院正面のちょうど裏側、切り立った斜面をごつごつした岩が覆うあたりであるため、「探検」といえど、いままでこのあたりまできたことはなかった。よくよく見れば、その小窓はおそらく、かつてリンとレンが生活していた部屋だった。なるほど、ふりかえれば、自分達の部屋から見たのと同じ光景が広がっている。かつて二人のものだった小窓には昔と同じモスリンのカーテンがさがっていたが、その外側には、鉄格子が増設されていた。小窓から流れる歌声は、若い男のものだ。そして、その穏やかで美しい男声が紡ぐのは、リンとレンのよく知る讃美歌だった。
で、↑の男性こそ、革命のあれこれで監獄に入れられたカイトさんだったという。
カイトは、リンの忘れた讃美歌集を発見して歌っていたのである。
ここからはじまるカイリンレンの交流……とかとか。ね!時間あったら書いてみたかった。
えーーー。写真を貼るのに途中で飽きたのが明白ですね(笑)
またそのうち貼りにこようそうしよう…
→貼った。楽しかった……