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ぼーかろいどのキャラデザに惹かれた管理人が萌えを語るためのブログ。最愛は白リボンの黄色い子。
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予約

レンリン小ネタ。
誰とも分からないキャラが出てきますが、何でしたらカイトでもミクオでも適当に男キャラを当てはめていただければ。
私にしてはいちゃみね。これでも。



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 だからこんなゲーム、やりたくなかったんだ。馬鹿共に抑えつけられ、ケータイを奪われて、俺は屈辱に震えていた。
「わぁお、発信履歴、リンちゃんだらけじゃない」
「……うるせー」
「メールも見ちゃおっかなー」
「余計なことすんな!それは約束にないだろ!!」
 罰ゲームってのは向き不向きがあると、俺は思う。おちゃらけてこなして、みんなを楽しませる奴もいるけど、俺みたいな性格の人間にそれは無理だ。プライドが先に立って、道化になりきることができない。恥じらいを捨てきることのできない道化ほど、みっともないものはないだろう。
「正義に反するから、メールは許してやろうぜ」
「仕方ないなぁ。じゃ、電話するよ?」
「ちょっ…待っ…」
「はい、かけましたー」
 抑えつけられた体勢のまま、耳にケータイを押し当てられる。自分でケータイを持っていないからか、いつもより呼び出し音が聞き取りにくい。
 ああ、どうしてこんなことに。せっかく苦労してリンの隣を手に入れたのに、この電話一本で崩壊したらどうしてくれる。下手したら一生、口をきいてもらえないことも……いや、それならまだいい、顔も見たくないと言われたら、この先俺はどうやって生きていけばいいんだ。
 悪い想像に背筋が寒くなった時、ぷつりと呼び出し音が切れた。ガッデム。
『はーい。レン??』
「……リン」
 周りの奴らが息をのんだ。おい、野郎が瞳をきらきらさせるな。あと、ケータイに耳寄せるのもやめてくれ。顔が近いんだよ、気持ち悪い。
『どしたの?』
「あー、その…今何してた?」
『雑誌読んでた』
「あ、邪魔してごめん」
『んーん、暇だったから読んでたの』
 ベッドに寝転んで、雑誌をめくるリンの姿が目に浮かぶ。リンが雑誌を読むのはたいてい暇つぶしだって、そんなのよく知ってるはずなのに、つい低姿勢になってしまう。罰ゲームのダシに使っていることが、後ろめたいからだ。
『レンは何してたの?』
「俺はその……俺も暇で」
『ふうん』
 頭を小突かれて見上げると、馬鹿共が総出で目配せをしてきた。うるさい、分かってるよ、罰ゲームだろ。でも、こちとら話の流れってもんがある。いや、もうすでに不自然な流れの気がしなくもないけど。
「あの、それでさ、この前の日曜、出かけたじゃん?」
『うん』
「楽しかった?」
『楽しかったよー』
「で、その…よかったら、またどっか行かない?」
『いいよ』
 心臓が大げさな音を立てている。二回目のデートの予約を、とりつけてしまった。けれど俺はこれから、更に難しい予約をもぎ取らなくてはいけないのだ。
「行きたいとこある?」
『んーー、今ね、パフェが食べたい気分なの』
「パフェ?」
『うん。だから、パフェのあるお店に行きたい』
「わかった、調べとく」
 顔が熱くなってきた、気がする。罰ゲームという以上、遂行は絶対だ。分かってるけど、実際これ、どう言えばいいんだ。
『うん。それじゃ…』
「ちょっと待って」
『うん?』
「その…次のデートのときなんだけどさ……」
 デートなんて、普段の俺なら口に出せる単語ではない。だけど、今はそれ以上の羞恥が待ち受けていた。次の言葉をなかなか言い出せず、不自然な間が空いてしまう。
『……レン?』
 聞き慣れているはずの声が、頭の中で不思議と甘く反響する。口紅とかグロスとか、そういう人工の色を乗せなくても瑞々しく赤いリンの唇が、俺の名前の形に動く様を、簡単に想像することができた。ごくりと喉が鳴る。
「……キ、キスの予約をできませんか」
『えっ……』
「次に会ったとき、リンにキスする予約、入れてもいいかな」
 吃って、声が震えて、もう散々だったけれど、確かに俺は言った。馬鹿共から、オオーと声を殺したどよめきがあがる。それをウザいと感じる余裕さえ、今の俺にはなかった。沈黙がこれほど恐ろしいのは初めてだ。
『…………………いい、よ』
「えっ?」
 リンの声は小さすぎて、俺の願望が生み出した空耳かもしれないと思った。聞き返していいものか、迷う前に声が出てしまう。と、電話口でリンが息を吸い込むのが聞こえた。
『…ご予約、うけたまわりましたっっ』
 今度はしっかりと、耳に届いた。というより、キーンと耳に響いた。声が大きすぎて、馬鹿共にしっかり伝わってしまったらしく、奴らは歓声をあげて意味不明な踊りを躍り出した。自由になった手で咄嗟に電話口を押さえる。でもそれではリンに返事ができないので、少しだけ隙間を開けて急いでささやく。
「ありがとう」
『う、うん』
「お店探したら、また連絡するから」
『うん……ま、ってる』
「お、おう。それじゃ」
『ま、またねっ』
 お互い妙に照れくさくてギクシャクしてしまったけれど、こんなギクシャクならいつでも大歓迎だ。電話を切ると馬鹿共にもみくちゃにされたが、そんなこと気にならないくらい、俺は舞い上がっていた。

 予約したからには、キスをしなければいけない。この予約に、キャンセルという選択肢はないのだ。キャンセルなんてしたら男がすたるだけじゃなく、リンを傷つけるだろう。だから、俺が次のデートでキスに挑むのは、決定事項だ。そのことに気づいて頭を抱えることになったのは、数日後のことである。



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分かる方には分かるかもしれませんが、某テレビ番組がもとネタです。


ホワイトデーはまだ書いてる。

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こちらは管理人シロセが個人の趣味で萌を語るブログです。同人的要素を含みますので、苦手な方はブラウザバックを推奨します。また、製造元・版権元・その他各企業様とは全く関係ございません。
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