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ぼーかろいどのキャラデザに惹かれた管理人が萌えを語るためのブログ。最愛は白リボンの黄色い子。
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仮初騎士(後)

夜道二人仮初騎士(前)のつづき。

ばっちり法律違反です。良い子はマネをしないように。

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「……ン、リン」
 目を細く開けると、ベッドの横に誰かが立っていた。出窓から差す光が眩しくて、布団をひきあげる。
「あ、おい……まったく」
 苦笑する気配がした。レンだ。もう朝なの?もうちょっと寝かせてよ。声に出すのが億劫で、頭の中だけで呟く。
「おーい、リン。朝ごはんできたってさ。ルカ姉がはりきってたから、はやく行こうよ」
 ルカ姉?そっか、昨日からメイ姉とカイ兄がいなくて…。そうだ、それで昨日はレンが迎えにきてくれたんだっけ。
「リーン」
 ずずっと布団が引かれて、冷たい空気が顔に触れる。暖かい布団が恋しいけど、ルカ姉が待ってるならはやく起きなきゃ。布団からのろのろと片手を出す。
「ん」
 その手をレンに向かって差し出したのは、半ば寝ぼけていたからだ。違う、寝ぼけているフリをできるから。こういう時は、レンの機嫌がいいと、手を掴んで引っ張り上げて、起こしてくれるのだ。
「はいはい、ほら起きて」
 だけど、今日は違った。私の身体が少し浮いたところで、背中に暖かなものが添えられて、力強く上半身を支える。え……もしかして私、抱き起こされてる?ええ?!
 普段なら、ぞんざいに手を引っ張るだけで、たぶんこんなのは初めてだ。手を掴むだけと、背中に手を添えるのとでは、私の中では何かが決定的に違う。
 驚いているうちに、さっさと手は離れて、私はベッドの上に座っていた。レンが私の顔を覗き込んでくる。
「起きた?」
「う……ん」
「何?まだ寝ぼけてんの?」
 違うよ、驚いてんの。どうしたのよ急に。今日は甘えさせてくれる日なの?
 そんなことが聞けるわけもないけど、この空気は貴重だった。レンの機嫌がすごく良い。もしかしたら、昨日の話もできるかもしれない。そう思って、私は寝ぼけたフリを続行する。
「おいっ。あーもう、しょうがないなぁ。起きろって」
 ぼすん、と再びベッドに沈んだ私に、呆れた声があがる。手を掴まれたけれど、今度は私が身体を起こそうとしてないから、簡単には引っ張り上げられない。掴まれた手を握り返し、甘えたフリをして指を辿る。
「れぇん」
「んー?」
「るかねえに、ちゃんとかえした?」
「……え?」
 遊ばれるがままになっていた手が、ぴくりと震えた。気づかないって、君は思ってたのかもしれないけど。
「ちゃんとかえしなよ。あぶないから」
「……危なくないよ」
 もちろん、レンだってただのお守りのつもりだったんだとは思う。でも、それにしたって、やりすぎだよ。うっかり手でも滑ったら、どうするつもりだったの。
「るかねえ、こまってた」
「……あれが刺身に使うやつだと思わなかったんだ」
 私だって、普通との違いはよくわからない。でも、ルカ姉の持ってるあれが、普通のサイズに比べてかなり長いのは知っている。たぶんレンも知っていた。だから、こっそり借りてこっそり返すつもりだったんだろう。確かにあれが、家にある中で一番強そうだ。
「俺じゃ、頼りないらしいから」
 馬鹿だなぁ。あんなに大きなものコートの中に隠してたら、動き辛かっただろうに。万が一危ない人に遭遇したとしても、向こうだってどんな武器を持ってるかわからない。慣れないこっちが、あんなもの持ってたら、かえって危ないよ。お姉ちゃん達が知ったら、絶対怒る。
「はんせいしてる?」
「意味ないことしたとは、思ってる。……でも、」
 ゆるく掴んでいた私の手をそっと外して、レンの暖かい手が首の後ろへ滑りこんだ。
「また一人で帰る時は、メールして」
 もう片方の手で肩を支られ、再び上半身を抱き起こされる。今度は私が完全に力を抜いていたのに、レンは軽々とやってのけた。
「もう危ないことしないって、約束するなら」
 私がしっかり目を開くと、レンは気まずそうに視線を外した。するよ、と言ってくるりと背を向ける。本当はレンの目を見たかったけれど、やりすぎたって自分でもちゃんとわかっているはずだから、許してあげる。もうとっくに目が覚めていた私は、廊下に出たレンを急いで追いかけた。
「……柔道でも習おうかな」
 階段を降りる背中ごしに、レンがそんなことを呟くのが聞こえた。



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本当は、ここまでで一つでした。せっかくの1125の日に残業なのが悔しくて、未完品のなかで一番キリよく切れそうなのをupしたのでした恐ろしい。タイトルが適当なのはそのせい…いやこれはいつもか。ほんとは数字で済ませたいくらいなんだけど、それだと自分が何を書いたのか思い出せないので…とりあえず中身が思い出せるキーワードにしておくという適当さ。平安パロとか、困るんだよね。副題つけようかな。
文字書きさんのつけるタイトルって、すごく綺麗で思わず読みたくなるようなの多いですよね!すごいなぁといつも思いながら見ています。人様のタイトル眺めるのは大好き。
 

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こちらは管理人シロセが個人の趣味で萌を語るブログです。同人的要素を含みますので、苦手な方はブラウザバックを推奨します。また、製造元・版権元・その他各企業様とは全く関係ございません。
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